正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。
ザク搭載ドダイYSと偶然遭遇してしまったドラゴン・フライ。操縦していた伍長は焦りまくりました。何しろ、発見されると軍法会議ものの、やばいエロ本の束を積んでいたのです。機体を放棄して脱出しても、1ページでもそれが見つかれば、伍長は非常にまずいことになります。
伍長は必死にドラゴン・フライを操縦し、ドダイYSの射線から逃れようとしました。ドダイYSは、ザクというお荷物を乗せているため、機敏には動けませんでした。そのため、必死に旋回している限り、ドダイYSの前方機銃に狙われる危険は少なかったものの、同じ場所をぐるぐるまわっていては、味方の基地に逃げ込むことはできません。かといって、直進すればドダイYSの方が高速であり、すぐ追いつかれてしまいます。
あとの問題は、ザクマシンガンでした。撃てる方向が固定されているドダイに機銃と異なり、ザクの手持ち武器なら、どの方向にも自由に撃てます。しかし、ザクマシンガンは、最初の一連射以来、火を噴くことがありませんでした。
伍長は、どうやら弾切れらしいと、推測しました。とすれば、ドダイは作戦の帰りで、弾も燃料も多くないはずだと推測しました。ドダイの機銃も、残弾が多いわけではあるまい、と思った伍長は大胆な賭に出ることにしました。わざとドダイの前に出て、機銃を撃たせるのです。身軽さだけならドラゴン・フライの方が上ですから、慎重にやれば、撃たれる前に回避できるはずでした。
そして、機銃弾さえ撃ち尽くせば、諦めて立ち去ってくれるだろう。そう伍長は期待しました。
ドラゴン・フライは、急に旋回をやめました。
その隙にドダイは、ドラゴン・フライの背後に回り込みました。
そして必殺の一連射!
その直前にひらりとドラゴン・フライは旋回して避けてしまいます。
伍長はニヤリと笑いました。これなら、何とかなりそうです。
そんなことを2回繰り返したあと、3回目には連射の途中で突然機銃は沈黙してしまいました。
やった、弾切れだ、と伍長は喜びました。
これで見逃してくれれば問題ありません。
ところが、伍長が驚いたことに、ジオン兵はまだ諦めませんでした。ドダイの上のザクが、いきなりヒートホークを構えたではありませんか。
ドダイは危険なまでにドラゴン・フライへの距離を詰めてきます。伍長は、焦りまくりました。もちろん、飛行中のドダイ上のザクが振り回すヒートホークなど、そう簡単に当たるとは思えません。しかし、体当たりしかねない迫力で迫ってくるドダイを見ていると、空中衝突という状況が頭に浮かんでしまいます。もし空中衝突したら脆弱なドラゴン・フライの方が崩壊するのは明らかでした。
ヒートホークがまさにドラゴン・フライの主翼に触れそうに見えたとき。伍長は、やけくそになって、いきなり機体を失速させて急降下させました。
それを見たドダイは機体を傾けて急旋回を行いました。それと同時に、ザクがドラゴン・フライを追いかけるようにヒートホークを持った腕を伸ばしました。
それぞれは単独で行えば問題のない機動でした。しかし、慌てたドダイのパイロットとザクのパイロットが、それを同時に行ったことで、搭載固定金具の安全限界を超えてしまいました。ザクの足を固定していた金具が破損し、ザクはドダイの上から転落したのです。
伍長が驚いて見守る中、ザクはなすすべなく、はるか下方の砂漠に向かって落ちていき、そして、地面に激突しました。
見下ろすと、右足の膝関節が、あり得ない方向にねじ曲がっているのが見えました。これではもう歩行は不可能でした。
それを確認すると、伍長はすぐにドダイの状況を見ました。身軽になったドダイに突っ込まれては、軽量脆弱なドラゴン・フライは非常に危険です。至近距離を高速で通過されるだけでも機体の姿勢が保てない可能性がありました。
ところが、ドダイの姿を見た伍長はアッと驚きました。
続きます。
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